被相続人の負債が財産よりも多い場合、相続人は相続放棄を行うことで、負債を承継しないで済みます。しかし、相続放棄をすることによって被相続人の財産も放棄することになります。

 今回の相談は、被相続人が亡くなる直前に高額の医療費がかかっており、高額療養費の給付を受ける前に死亡したケースで、相続人が相続放棄すると高額療養費の支給は受けられなくなるかという内容です。

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高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。70歳未満の方で、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。
(全国健康保険協会より)
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相続放棄した場合、高額療養費の給付は受けられないのでしょうか
 高額療養費の支給権者は、会社員の方で健康保険に加入している場合はその被保険者、国民健康保険の場合は世帯主とされています。

 被相続人が健康保険の被保険者であった場合、国民健康保険の世帯主であった場合は、被相続人が請求権を有し、被相続人の財産になります。したがって、この場合、相続人が相続放棄をすると、高額療養費の給付は受けられないことになります。