鉄筋コンクリート3階建てアパートが建築されている土地に対する広大地評価の適用

相続税額は土地の評価の仕方ひとつで何百万、何千万円と納税額に差が出ることがあります。その代表例が「広大地評価」です。

広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除きます。

たとえば、地積500㎡の土地があるとします。路線価が80,000円だとすると、単純計算では80,000円×500㎡=40,000,000円となります。
しかし、この土地周辺の有効利用が戸建分譲地だとすると、500㎡を仮に8区画に分譲するとした場合、なかに道路を通す必要があり、つぶれ地が生じます。このような場合に広大地評価が使えます。

広大地評価が適用できる場合、広大地補正率=0.6-0.05×地積/1,000㎡、土地の評価額は、路線価×広大地補正率×地積で計算します。
先ほどの例であれば、広大地補正率=0.6-0.05×500㎡/1,000㎡=0.575、土地の評価額=80,000円×0.575×500㎡=23,000,000円です。単純計算よりも42.5%評価額を下げることができます。

広大地評価では「中高層の集合住宅等の敷地用地」には適用できないとされていますが、問題ないでしょうか。
中高層とは、原則として地上階数3以上のものが該当します。「集合住宅等」には、分譲マンションのほか、賃貸マンション等も含まれます。したがって、現に地上階数3以上の集合住宅が建築済みの敷地には広大地評価が適用できないと誤解し、適用しないで多額の相続税を納税してしまっている例が多数あります。

しかし、地主の方のように土地を既にお持ちで、投資するのが建物の建築費用だけのような場合には、上記の例のように、戸建分譲が適している地域において賃貸マンションを建てられていることがあります。本来収益性の観点からは投資用不動産が成り立つ地域ではないにもかかわらず、地主の方の土地の有効活用で建てられたような場合です。

このような場合には、現実に中高層の集合住宅が建てられていたとしても広大地評価を適用することができます。

なお、広大地評価は開発道路の必要性もポイントとなるため、広大地評価の実務経験豊富な不動産鑑定士に調査依頼します。
当事務所では、広大地評価の実務経験豊富な不動産鑑定士と業務提携していますので、ご安心ください。

広大地評価適用の簡易査定サービス
広大地評価の適用が可能かどうかは何百万円単位での相続税額に差が生じるポイントとなります。下記の資料をご用意いただければ広大地評価が適用できるかどうか簡易査定いたします。
1.公図  2.測量図  3.登記簿謄本  4.住宅地図